『八日目の蝉』というタイトルの小説および映画を見た事はありますか?とても良い作品です。
愛人の子供を誘拐した女性が、旅をしながら子育てをする複雑な話なのですが、その中でも心に刺さる台詞があります。四国の美しい島で、母親は娘に(といっても誘拐した子ですが(^^;)
こう言います。
『世の中にある素晴らしいもの、美しいものを全部あなたに見せてあげたい』
人の親になってみて、本当に実感出来る言葉でした。
ホステルノースキーを開業してもう5年目です。時々、自分の事を悪くない宿のオーナーだと思える瞬間がありましたが、良い父親だったと思える瞬間はほとんどありません。そもそも家にいませんから。
家にいない人間が教育を語る資格なんてないのですが、唯一、先の台詞のような願望がありました。
我が子に、たいした事をしてやれない人間だけど、この世の中にある美しいものを全部見せてあげたいと、そう思いました。
キリマンジャロの頂からの景色、カリブ海の青い海、森に沈むマヤ文明の遺跡、アフリカの動物達、ヒマラヤの白い山並みと、チベット族の暮し、広大なサハラ砂漠。。。
日本だけでなく海外も含めて、できれば父さんが見て来たもの全てを、あなたにみせてあげたい。
そして父さんが見る事の出来なかったものを、沢山見つけて欲しい。心の底からそう思います。
健康な体があれば、何でも出来るから、今は母さんの作った料理を残さず食べれるようになってくれると嬉しいな。
頑張れ泣き虫。