ちょっと前に、【下鴨納涼古本まつり】を冷やかしに行った。毎年お盆の時期に、下鴨神社の南にある、糺の森(ただすのもり)という場所で行われている。
蝉時雨の森の中、白く乾いた道の両脇に、沢山の古本が並ぶ様はどこかノスタルジックで美しい。サンダル履きの私は背中に汗をにじませて、ぶらぶら歩く。掘り出し物を探すのだ。文学にうるさい友人を連れ立って、うんちくを聞きながら歩くのも良いだろう。
大型の古本店が主流になって行く中で、京都にはまだまだ昔ながらの小さな古本屋が残っている。うず高く本の積まれた狭い店の奥に、寡黙そうな店主が座っている。私はいつも、昔から探している一冊の本のことを、店主に尋ねてみようかと、一瞬迷う。迷って結局、今日も言葉を交わさずに店を出る。
昔買った古本の中に、カレーのレシピが書かれた紙切れが入っていたことがある。ずいぶんと古びた紙切れだった。一体、いつの時代の紙切れだったのだろう?
写真は古本まつりで唯一購入したカナダの絵本(500円)です。